ヘリコプター搭載護衛艦の革命。全通甲板が開く先に、
海自の新たな戦略投射能力が宿る。
着る、戦術。
VESSEL RECORD
護衛艦ひゅうがは、海上自衛隊が保有するひゅうが型護衛艦の1番艦である。2009年に就役したこの艦は、全通飛行甲板を持つ日本初の護衛艦として、自衛隊の海洋戦力に新たな次元をもたらした。IHIマリンユナイテッド(現・ジャパン マリンユナイテッド)が建造し、基準排水量13,950トン、満載排水量19,000トンに達する艦体は、対潜戦闘を主任務としながらも多目的な柔軟性を持つ。
全通甲板の採用は単なる設計上の革新ではない。それは海自が求めた「運用の哲学の転換」を象徴していた。最大11機のヘリコプターを搭載し、対潜ヘリを複数同時運用できる能力は、広大な太平洋のシーレーンを守る上で決定的な意味を持つ。AN/SQS-53Cソナー、FCS-3改対空システム、SeaRAMと、防護システムの層は幾重にも積み重ねられている。
艦名「ひゅうが」は日向国(現・宮崎県)に由来し、旧日本海軍の戦艦日向の名を継承する。過去の鋼鉄の記憶と現代の戦術思想が交差する場所に、この艦は浮かんでいる。
全通甲板が拓いた先には、海と空をつなぐ新しい戦術の地平がある。鋼の甲板の上で、ヘリのローターが回るとき——それは日本の海洋防衛の意志が動き出す瞬間だ。
— NECOKOUCAN — DESIGN NOTE満載排水量
就役年
ヘリ搭載数
DESIGN INTENT
このデザインが捉えようとしたのは、ひゅうがが持つ「水平線の支配」という概念だ。全通飛行甲板の直線——それは単なる構造物ではなく、海面に引かれた戦術上の境界線だ。その線を服の上に落とし込んだとき、着る者は広大な太平洋の主権を体に纏う。
カラーリングはJMSDF艦艇グレー(舷側色 N-4.5)を参照した。曇天の海面に溶け込み、しかし確かな存在感を放つその色は、主張しすぎない強さを持つ。着る、戦術。——ひゅうがはその言葉を甲板の鋼に刻んでいる。
COORDINATE
ひゅうがは、水平線に存在を刻む艦だ。灰色の艦体は海と空の間に浮かび、どこへでも向かえる自由と、どこにも属さない孤絶を同時に体現する。この服を着るとき、同じ問いが生まれる——あなたは、どの海を征くか。3色を提案する。
PHOTO 01
- JMSDF制服の正装色——海の深さそのもの
- 白プリントとの対比が最大化し、艦艇のシルエットが鋭く浮かぶ
- 夜の太平洋に出撃する艦のように、都市の中で静かに存在感を放つ
→ 海軍の紺は、すべての制服色の原点だ。ひゅうがの全通甲板を纏うとき、この色は制海権という言葉に重さを与える。
PHOTO 02
- ひゅうがの艦体グレーとネイビーの中間——実際の艦艇舷側色に最も近い
- 朝霧の中に浮かぶ艦影のように、輪郭が柔らかくも存在は揺るぎない
- ネイビーより都市的。グレーより格式がある。最も「着やすい」軍色
→ 夜明けの呉港。岸壁に係留されたひゅうがの艦体が朝霧に溶けていく色。ヘイジーネイビーはその瞬間を一枚に閉じ込める。
PHOTO 03
- 飛行甲板の滑り止め塗装色——実用の灰がここにある
- JMSDF艦艇グレー(N-4.5)に最も近いT-TRINITY色
- あらゆる上着・パンツと合わせられる、最も「使える」軍色
→ 甲板の灰色は機能の色だ。着飾るための色ではなく、任務のための色。スレートを纏う者は、自分が何者であるかを知っている。